長く通ってくださっているお客様ほど、あまり言葉で評価をされなくなることがあります。
「今日もいいですね」「安心します」といった言葉が、いつの間にか減っていく。
以前の私は、それを少し不安に感じていました。満足していないのではないか、と。
ただ、不思議なことに来店の間隔は変わりません。
予約は淡々と入り、会話も必要以上に盛り上がるわけではないけれど、冷たさもない。
その状態が、何年も続いています。
ある時、「評価されなくなった」のではなく、「確認されなくなった」のかもしれないと思いました。
毎回言葉にしなくても、もう分かっているだろう、という前提が共有されている。
良いか悪いかを逐一確かめなくても成立する関係です。
言葉で反応が返ってくる関係は分かりやすい反面、常に応え続ける緊張感があります。
少し手応えが薄いだけで、不安になることもあります。
一方で、何も言われなくても通い続けてくださる関係は、とても静かです。
派手さはありませんが、その静けさが後からじわじわと効いてきます。
信頼関係は、言葉を重ねて築くものだと思っていました。
でも実際には、言葉が減っても崩れない状態になった時、ようやく信頼と呼べるのかもしれません。
そう思いたい自分と、まだ少し不安な自分が、今も同時にいます。


